トラックアドとは?街を走りながら認知を広げる広告

「Web広告を出しているのに競合の広告に埋もれてしまう」
「イベントや新商品を短期間で多くの人に知ってもらいたい」
「店舗周辺で、もっと自社やサービスの認知度を高めたい」
こうした「まず知ってもらう」という課題に対する広告手法の一つが、トラックアドです。
トラックアドとは、トラックの荷台や車体を広告媒体として活用し、街中を走行しながら商品・サービス・イベント・企業などをPRする移動型の屋外広告です。「アドトラック」「広告宣伝車」などと呼ばれることもあります。
固定型の屋外看板との大きな違いは、広告そのものが移動できること。ターゲットが集まりやすいエリアやイベント会場周辺、店舗の商圏などに合わせて広告接点をつくれることが特徴です。 この記事では、総合広告代理店の視点から、トラックアドの特徴や効果、向いている企業・業種、解決しやすい広告課題、Web広告との違い、実施時の注意点まで詳しく解説します。
目次
トラックアドがおすすめなのはどんな企業?
トラックアドがおすすめなのは、特定エリアで短期間に商品・サービス・企業・イベントの認知を広げたい企業です。特にイベント、小売・飲食、新商品PR、採用、BtoBの企業認知などに活用できます。具体的には、次のような企業・広告内容が候補になります。
トラックアドが向いている企業課題と活用方法
| 抱えている課題 | トラックアドでできること |
|---|---|
| Web広告だけでは競合に埋もれる | リアルな街中に別の広告接点をつくる |
| 商品・サービスの知名度が低い | 商品名・ブランド名を大きく訴求する |
| イベント開催まで時間がない | 開催エリア周辺などで集中的に告知する |
| 新店舗を地域の人に知ってほしい | 商圏を意識したエリアで認知を広げる |
| SNSで話題になるきっかけがほしい | 撮影・投稿したくなる広告を企画する |
| 求人広告だけでは企業を知ってもらえない | 採用ターゲットへの企業認知を形成する |
| BtoBで会社・サービスの知名度が低い | 展示会やビジネスエリアで認知を形成する |
| オンライン以外の広告接点がほしい | OOHとデジタルを組み合わせる |
共通しているのは、「詳しい説明をする前に、まず名前や存在を知ってもらう必要がある」という点です。トラックアドを検討するときは、「トラックを走らせたい」から考えるのではなく、「誰に・何を覚えてもらいたいのか」から逆算することが重要です。
なぜ今、トラックアドを検討する価値がある?
Web広告が拡大する一方で、リアルな街中で接点をつくるOOH広告も成長しています。トラックアドは、オンライン広告とは異なる場所で認知を生み出せることが特徴です。
電通「2025年 日本の広告費」によると、2025年のインターネット広告費は4兆459億円となり、日本の総広告費に占める割合は初めて50%を超えました。一方、2025年の屋外広告費も3,042億円、前年比105.3%と成長しています。繁華街の大型ボードやストリート媒体などでは、SNSでの拡散を意識したインパクトのあるOOH展開もみられました。
参照:電通「2025年 日本の広告費|プロモーションメディア」
デジタル広告が拡大しているからこそ、Webだけで完結させるのではなく、「街で知る→スマートフォンで検索する」など、リアルとデジタルを横断した広告設計も選択肢になっています。
トラックアドのメリットは?4つの特徴
トラックアドの主なメリットは、①大型広告による認知形成、②広告そのものが移動できること、③効果測定手法が進化していること、④Web・SNSと連携できることです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.大型広告で商品名・企業名を印象づけやすい
トラックアドは、車体や荷台の大きな広告面を活用できます。Web広告のように画面内に表示されるのではなく、リアルな街中に広告そのものが現れるため、商品名や企業名、イベント名などを知ってもらう接点として活用できます。特に重要なのが、情報を詰め込みすぎないことです。
走行するトラックを見る時間は限られるため、
- 商品・サービス名
- 短いキャッチコピー
- ロゴ
- 印象的なビジュアル
- 検索してほしいキーワード
…などに情報を絞ります。
「詳しく説明する広告」ではなく、「覚えてもらう広告」として設計することがポイントです。
2.ターゲットに合わせて広告自体が移動できる
固定型の看板との大きな違いは、広告自体が移動できることです。例えば、若年層への認知を狙うなら繁華街、ビジネスパーソンならオフィスエリア、イベント告知なら会場周辺や最寄り駅周辺など、ターゲットとの接点を意識した走行計画が考えられます。新店舗なら店舗周辺、展示会なら開催会場周辺というように、「いつ・どこで・誰に見てもらうか」を広告企画に組み込める点が特徴です。
3.OOHでも効果測定の環境整備が進んでいる
「屋外広告は何人に見られたか分からない」というイメージを持つ方もいるでしょう。しかし現在、OOH業界では効果を可視化するための環境整備が進んでいます。
トラックアドについても、提供事業者によってはカメラやセンシング技術などを用いた計測に対応している場合があります。
また、以下の様に広告の目的に合わせて複数の指標を設定する方法もあります。
- 広告実施前後の指名検索数
- 専用ページへのアクセス
- QRコードの読み取り
- SNS投稿
- 問い合わせ・来店
重要なのは、広告実施後に「効果があった気がする」で終わらせず、出稿前に何をKPIとして確認するのか決めておくことです。
4.Web広告・検索・SNSへつなげられる
トラックアドの役割は、街で広告を見てもらうことだけではありません。
例えば、
トラックアドを見る→ 商品名を覚える→ スマートフォンで検索する→ WebサイトやSNSを見る→ 購入・予約・問い合わせにつながる
という流れを設計できます。また、思わず撮影したくなるクリエイティブであれば、SNS投稿につながる可能性もあります。そのためトラックアドは、「リアルな認知の入口」からWeb・SNSへつなぐ広告として考えると活用の幅が広がります。
トラックアドがおすすめの企業・業種
特に向いているのは、認知度を短期間で高めたい企業や、商品・サービスをビジュアルで印象づけやすい業種です。
イベント・ライブ・エンターテインメント
ライブ、コンサート、展示会、スポーツイベント、期間限定イベントなどは、トラックアドを活用しやすい分野です。開催日と会場が明確なため、開催前の繁華街や会場周辺など、広告を届けたいタイミング・エリアを考えやすくなります。アーティスト、作品、キャラクターなど、一目で認識できる強いビジュアルがある広告にも適しています。さらに当日のイベントやライブを盛り上げる要素として、当日会場でのパブリックビジョンとして利用できる場合もあります。
飲食・小売・商業施設などの店舗ビジネス
飲食店、アパレル、商業施設、美容関連店舗などにも活用できます。特に、新規オープン、リニューアル、期間限定キャンペーンなど、「この地域の人に、今知ってほしい」情報と相性があります。街で店舗名を知ってもらい、検索やSNSから営業時間・アクセス・商品などを確認してもらう導線をつくる方法も考えられます。
新商品・新サービスを展開する企業
食品、飲料、コスメ、ファッション、ゲーム、アプリなど、新しい商品・サービスを発売する企業にも適しています。商品名やブランド名自体が知られていない段階では、ユーザーが自発的に検索することは期待しにくいものです。そこでトラックアドを「知るきっかけ」として利用し、その後の検索やSNS接触につなげます。
採用を強化したい企業
採用広告、採用ブランディングにも活用できます。「求人広告を掲載しても他社に埋もれる」「そもそも企業名が学生や求職者に知られていない」という場合、採用ターゲットが多いエリアなどで企業名や採用メッセージを訴求する方法が考えられます。トラックアドだけで応募獲得を狙うのではなく、「企業認知→企業検索→採用サイト→応募」という導線を考えることがポイントです。
BtoB企業
BtoB企業でも企業名・サービス名の認知拡大に利用できます。例えば、展示会や業界イベントの開催期間に会場周辺で展開したり、ターゲット企業が集中するビジネスエリアで認知を形成したりする方法です。直接リードを獲得するだけでなく、その後の営業活動やWebマーケティングを後押しする企業認知施策として検討できます。
自治体・公共団体
交通安全、防災、各種キャンペーンなど、自治体や公共団体による啓発・啓蒙活動も活用方法の一つです。商品を販売する広告に限らず、地域の生活者へ特定のメッセージを認知してもらいたい場合にも利用できます。
トラックアドがおすすめなのは、どんな課題を持つ企業?
最も検討しやすいのは、「商品やサービスが知られていない」「Web広告以外にも認知接点を増やしたい」という課題を持つ企業です。
企業・業種別に相性の良いトラックアド広告内容
| 企業・業種 | 相性の良い広告内容 |
|---|---|
| イベント・エンタメ | ライブ、展示会、スポーツ、期間限定イベント |
| 飲食・小売・商業施設 | 新店舗、リニューアル、キャンペーン |
| 食品・飲料・コスメなど | 新商品、ブランド認知 |
| ゲーム・アプリ・Webサービス | 新サービス、キャンペーン |
| 採用を強化したい企業 | 企業認知、採用ブランディング |
| BtoB企業 | 展示会連動、企業・サービス認知 |
| 自治体・公共団体 | 啓発・啓蒙キャンペーン |
特に「認知不足」が課題なら検討がおすすめ
トラックアドの役割を端的に表現すると、「知られていない状態から、見たことがある・名前を知っている状態へ動かすための広告」です。良い商品やサービスでも、名前そのものが知られていなければ検索されません。採用でも同様に、企業名を知らなければ求職者の選択肢に入る機会は少なくなります。
- トラックアド=認知
- Webサイト・SNS=理解
- 検索広告=再接触
- LP・店舗・採用サイト=行動
のように役割を分けて広告全体を設計します。
トラックアドとWeb広告はどちらがおすすめ?
認知拡大やリアルな街中でのインパクトを重視するならトラックアド、細かなターゲティングや直接的なコンバージョンを重視するならWeb広告が適しています。競合する媒体ではなく、役割を分けて併用する方法が有効です。
トラックアドとWeb広告の比較表
| 比較項目 | トラックアド | Web広告 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 認知・話題形成 | 認知~獲得 |
| 接触場所 | 街中・リアル空間 | スマホ・PCなど |
| エリア設定 | 走行エリアで設定 | 配信地域で設定可能 |
| 属性ターゲティング | 限定的 | 細かく設定しやすい |
| インパクト | 大型広告面を活用 | クリエイティブ次第 |
| 効果測定 | 手法・媒体によって異なる | 比較的詳細に測定可能 |
| 向いている目的 | 新商品・イベント・企業認知など | 購入・問い合わせ・獲得など |
例えば新店舗なら、
オープン前:トラックアドで地域認知
オープン前後:SNS広告で興味喚起
検索時:検索広告で取りこぼしを防ぐ→Web・Googleマップ等で来店情報を確認
というように、それぞれの広告を役割分担させる方法があります。どちらが優れているかではなく、「認知・興味・比較・行動のどこを強化したいのか」で選ぶことが重要です。
トラックアドにはどんな広告内容が向いている?
トラックアドに向いているのは、数秒でも内容を理解でき、商品名・企業名・イベント名などを覚えてもらいやすい広告です。具体的には、新商品・新サービスの発売、新店舗オープン、イベント・ライブ、期間限定キャンペーン、ブランド広告、採用プロモーション、企業ブランディング、自治体等の啓発広告などが候補になります。
反対に、複雑なサービス説明や細かな料金表など、大量の情報を読まなければ魅力が伝わらない広告は、トラックだけですべてを説明するのには向いていません。トラックアドでは、「何を伝えるか」以上に「何を覚えてもらうか」を決めることが重要です。詳細情報はWebサイトやLPに任せ、トラックでは商品名や企業名、特徴的なビジュアルなどに情報を絞りましょう。
広告代理店の視点|トラックアドを成功させる3つのポイント
トラックアドは、大きな広告をつくって街中を走行すれば成功するわけではありません。広告戦略として考える場合、特に重要なのが「ターゲット」「エリア」「見た後の行動」の3つです。
1.「誰に見せるか」から走行エリアを考える
最初に考えるべきなのは走行エリアではなくターゲットです。「人通りが多いから」という理由だけで場所を決めるのではなく、広告を届けたい人が、どこに・いついるのかを考えます。イベントなら来場ターゲット層が集まるエリアや来場圏内、若年層ターゲットなら学校が集まるエリアや最寄り駅周辺、BtoBなら展示会場・ビジネスエリア、新店舗なら商圏エリアなど、目的から逆算して考えることが重要です。
2.クリエイティブは情報を絞る
広告面が大きいと、商品説明やキャンペーン情報などを多く掲載したくなります。 しかし、移動する広告との接触時間は限られます。
そこで、
「商品名を覚えてほしい」
「イベント名を覚えてほしい」
「企業名を覚えてほしい」
など、広告のゴールを一つに絞ります。トラックアドでは、情報量の多さよりも一瞬で認識できることを優先することが大切です。
3.「見た後」を必ず設計する
認知を獲得しても、その後の受け皿がなければ広告効果を十分に活かせません。広告を見た人が商品名を検索したときに公式サイトが表示されるか、LPがスマートフォンで見やすいか、SNSに十分な情報があるかなども確認します。トラックアドを単体で考えず、検索・Web・SNS・店舗までを一つの広告導線として設計することが重要です。
トラックアドが向いていないケースは?
ターゲットを細かく限定したい場合や、広告接触から直接購入・問い合わせを獲得することだけを最優先する場合は、Web広告の方が適している可能性があります。
例えば「特定の職種・年齢・興味関心を持つ人だけに広告を届けたい」という場合、トラックアドよりSNS広告などの方がターゲットを細かく設定できます。また、「問い合わせ1件あたりの広告費を厳密に管理したい」という場合も、検索広告などと比較して判断する必要があります。トラックアドは万能な媒体ではありません。だからこそ、目的が「認知」なのか「獲得」なのかを明確にしてから媒体を選ぶことが重要です。
トラックアドを実施するときの注意点
トラックアドは走行地域によって屋外広告物や車両広告等に関する規制を確認する必要があります。
自治体により車両や音声放送の規制に違いがあるため、エリアによっては出来る表現・出来ない表現が出てまいります。トラックアドを実施する際は、使用車両、広告デザイン、走行地域、音声利用などを踏まえ、最新の規制を確認することが重要です。基本的に広告代理店やトラックアドを専門として取り扱う企業に依頼をすれば、走行エリアに合わせた放映手法のご提案が可能です。
トラックアドについてよくある質問
Q. トラックアドとは何ですか?
トラックアドとは、トラックの荷台や車体を広告媒体として使用し、街中を走行しながら商品・サービス・イベント・企業などをPRする移動型の屋外広告です。アドトラックや広告宣伝車と呼ばれることもあります。
Q. トラックアドにはどんな効果がありますか?
主に商品名、企業名、イベント名などの認知拡大に活用できます。大型広告面を活かせることに加え、広告そのものが移動できるため、ターゲットとの接点を意識したエリアで広告を展開できます。
Q. トラックアドがおすすめなのはどんな企業ですか?
新商品・新店舗・イベントなどを短期間で告知したい企業や、特定エリアで商品・企業の認知度を高めたい企業に向いています。イベント、小売・飲食、新商品PR、採用、BtoB企業のブランディングなどが代表的な用途です。
Q. トラックアドはどんな課題に向いていますか?
「商品や企業が知られていない」「Web広告以外にも認知接点がほしい」「短期間で特定エリアの認知を高めたい」といった課題に向いています。一方、直接的なコンバージョン獲得だけを目的とする場合はWeb広告などとの比較が必要です。
Q. トラックアドとWeb広告はどちらがいいですか?
認知やリアル空間でのインパクトならトラックアド、細かなターゲティングや獲得ならWeb広告が得意です。目的が異なるため、どちらか一方ではなく組み合わせて利用するのが最もおすすめです。
Q. トラックアドの効果測定はできますか?
媒体・サービスによって異なりますが、センシング技術や人流データなどを活用できる場合があります。また、指名検索、専用URL・QRコード、Webアクセス、SNS投稿、問い合わせなどをKPIとして広告実施前後を比較する方法もあります。
Q. トラックアドだけで集客できますか?
トラックアドは特に認知獲得で活用しやすい広告です。検索広告、SNS、Webサイトなどと組み合わせ、「認知→検索→理解・比較→問い合わせ・購入」という導線を設計することで、その後の行動につなげやすくなります。
まとめ|「広告を見てもらう」課題にトラックアドという選択肢
トラックアドは、特定エリアで商品・サービス・企業・イベントなどの認知を広げたい場合に活用できる移動型の屋外広告です。特に以下のような課題をもつ企業へおすすめです。
- Web広告以外の方法でも認知を広げたい
- 新商品や新店舗を短期間で知ってもらいたい
- イベント開催前に認知を高めたい
- 商圏内でブランドや店舗の存在感を高めたい
- 採用活動で企業名を知ってもらいたい
- BtoBで企業・サービスの知名度を高めたい
一方で、広告の成果を高めるためには、ただ目立つトラックを走らせるだけでは十分ではありません。
誰に見てもらうのか。
何を覚えてもらうのか。
どこを走行するのか。
見た後にどのような行動をしてもらうのか。
ここまでを一つの広告戦略として設計することが重要です。
エムズコーポレーションでは、トラックアドだけでなく、Web広告、SNS、屋外広告なども含め、企業の課題・目的・ターゲットから広告施策をご提案しています。
「自社の商品はトラックアドに向いている?」「どのエリアを走ればいい?」「Web広告とどう組み合わせればいい?」という企画段階からでも、お気軽にご相談ください。



