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字幕付きCMとは?制作するメリット・社会的背景を解説

字幕付きCMの活用で、聴覚障害者やご高齢の方で聴力に不安がある人だけではなく、音声を出しづらい場所でも視聴者へ明確に情報を伝えられます。マーケティングや企業のESG経営など多方面で重要な役割をもつため、多くの企業が字幕付きCMの導入を始めています。

字幕付きCMの定義

字幕CMとは聴覚障害者や、ご高齢で耳が聞こえにくい方向けに字幕を表示するCMを指します。クローズドキャプションとも呼ばれ、映像に文字を表示し、追加補足情報を提供します。 実際の視聴では、視聴者がリモートコントローラーの字幕ボタンで表示/非表示を選択してもらうことで字幕付きCMを表示させます。

2022年10月から受け入れ開始

字幕付きCM普及推進協議会は2022年10月から、すべての放送枠に字幕CMを受け入れることについて公表しました。同時に、地上民放テレビ99局とBS民放5局が、受け入れを開始する方針について発表しています。

ESG経営における字幕付きCMの社会的意義

字幕付きCMの導入は、ESG経営で企業の価値を高めるためにも重要な取り組みです。ESG経営とは、以下の要素をまとめた投資家向けの内容です。

E(Environment):環境
S(Social):社会
G(Governance):管理体制

消費者の情報格差を無くし、企業の社会的責任を果たすことは、企業のESG経営にとって大きなメリットといえるでしょう。以下で、詳しく説明します。

難聴者の方に正確な情報を伝えられる

字幕付きCMは聴覚に障害がある方や、ご高齢で聴力に不安を覚える方に正確な情報を伝えられます。正確な情報を伝えることで、商品やサービスへの理解を促し、認知度をより一層高められるでしょう。このように字幕付きCMは、バリアフリーの観点から見ても、ESGのS(Social)である社会に配慮した取り組みであるといえます。

SDGsの観点からCSR果たすアピールになる

字幕CMの導入によって、CSRを果たしているというアピールができます。障害における不平等をなくすことは、SDGsの17の目標の10番目「人や国の不平等をなくそう」にも掲げられている項目です。字幕付きCMは、前述したように耳の聴こえる聴こえないにかかわらず、商品やサービスの情報を正確に伝えられます。よって、消費者の不平等な情報格差をなくせるでしょう。

マーケティング的側面

商品やサービスを網羅して消費者に届けることはマーケティングに欠かせません。字幕付きCMの導入は、聴覚障害や難聴が有る人、無い人に関わらず商品理解度を高められる有効な手段です。効率的に商品やサービスを販売するためにも、積極的に検討しましょう。

商品・サービスに関する情報の充実度を上げられる

字幕付きCM普及推進協議会による統計では、聴覚障害者にとって字幕付きCMは、字幕なしCMよりも好意度は7.6ポイント、内容理解度は16.6ポイントもアップしています。マーケティングにおいて、消費者の好感や伝えたい情報の正確性は重要な項目です。

また、字幕付きCMになってほしいジャンルは「医薬品」が52.9%、「食品・飲料・酒類」が50.7と半分以上の方が求めています。これらの情報の充実度を上げられれば、広告宣伝のより良い効果が得られるでしょう。もちろん健聴者にとっても、視覚的な情報からCMの内容を確認できるため、自社の認知度向上につながるでしょう。

<h3>他社との差別化ができる

字幕付きCMは導入している企業が少なく、まだまだ認知度が低いといえます。そのため、今から字幕付きCMを導入すれば、他社との差別化ができるでしょう。
字幕付きCM普及推進協議会による統計では、字幕なしCMに比べて、聴覚障害者の興味関心度と話題の拡散性が高い傾向にあります。「誰かに話したくなった」「商品やサービスを購入したい」「企業のイメージが良くなった」など、より消費者のニーズを満たす結果になりました。また、字幕付きCMの普及について79%の人が「増えると良い」と答えています。

字幕付きCMの導入事例

字幕付きCM普及推進協議会のホームページでは、聴覚障害者のCMの内容を知りたい要望に応えるかたちで、字幕付きCMを導入している企業を公開、リンクを設置しています。リンク先では、Web上で音声や動画コンテンツの視聴が可能です。そのうち3社の導入事例を紹介します。

ライオン株式会社

ライオン株式会社は2010年の11月から字幕付きCMのトライアル放送を始め、2023年1月より、国内で放送される全てのCMに字幕を導入しました。顧客の毎日に貢献する、より良い習慣づくりを提供するために、商品だけではなく情報発信の方法も開拓し、企業のサステナビリティへの役割を果たしています。公式YouTubeチャンネルでも、放映中のCMを視聴でき、字幕カテゴリーを設定しています。

味の素株式会社

味の素株式会社は、総務省の「CM字幕ワーキンググループ」に参画しており、 2014年4月から食品会社で初めて字幕付きCMを導入しました。味の素株式会社が1社提供する番組枠のすべてのCMに字幕が対応されており、今後は他番組への拡大や、多言語の字幕導入も目指しています。企業のメッセージや商品の情報を正しく伝え、認知度の拡大と情報格差をなくし社会貢献に取り組んでいます。

株式会社トヨタマーケティングジャパン

株式会社トヨタマーケティングジャパンは、聴覚障害者や聴力に不安がある高齢者の方向けに、ホームページで字幕付きの動画を配信しています。また、YouTubeの公式チャンネル内の動画にも字幕ボタンを設定し、字幕付きで動画を視聴できます。

字幕付きCM制作の注意点

字幕付きCMを制作するためには様々なルールが設けられており、そのルールに沿って制作できる制作会社に依頼をする必要があります。専門の担当者が字幕の内容を作成しますので、広告主側が細かい制作ルールを把握する必要はありませんが、最低限知っておいて頂きたい基本的な注意点を解説します。

各方面のルールに遵守して字幕を設定する

まず、視聴者に誤解・誤認を与えないように配慮することが大切で、「言っていない言葉」と「鳴っていない音」は字幕にしてはいけません。また、字幕を表示させる際は、実際と大きく異なるタイミングで表示されないように注意し、音声や音響を説明する文字や図形を使用することで、テロップに字幕が被ることを避けるなどといった工夫も必要です。

事実誤認がないよう配慮する

前述したように、字幕付きCMを制作する際に気をつけるべきルールがありますが、言っている言葉や鳴っている音全てを必ず字幕にしなければいけないわけではありません。そのルールを厳守し、限られた秒数の中で、伝えたい言葉やイメージは伝えられているか、事実誤認がないか制作側としっかりと確認して進めていきましょう。

まとめ

字幕付きCMの制作は今後主流になるでしょう。既に完成しているCM素材でも、編集して新たに字幕付きCMにすることも可能で、字幕付きCMを導入している企業は増えています。

マーケティングの側面だけではなく、企業が果たす責任やSDGsの側面で、社会に貢献する役割も持ちます。すべての放送枠に字幕付きCMの受け入れが始まった今、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 


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