広告コラム

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交通広告のメリット・デメリット 他媒体と比較した特徴は?

電車やバスの車内、駅の構内、バスやタクシーの車両そのものなどのスペースを活用して展開される「交通広告」。誰しも、日常のふとした瞬間に目にしたことがあると思います。

交通広告にはどのようなメリット・デメリットがあり、他の広告媒体と比べてどのような特徴があるのか?について、この記事でわかりやすくご紹介します。交通広告の出稿を検討されている方は参考にしてください。

交通広告のメリット

まず、交通広告のメリットを整理してみます。

接触率が高い

テレビ、雑誌、インターネット、ラジオとメディアが多様化する中で、交通広告は高い接触率を確保することができます。例えば、主要駅の1日の乗降人員を見てみると、名古屋駅は約41万人、新宿駅は約358万人。これだけの人の目に強制的に視認させられるので、高い効果が期待できます。

エリアセグメントができる

実店舗の広告をする際には、エリアセグメントが大きな強みとなります。出稿エリアを絞り、店舗近くの路線だけに広告を掲載できるからです。集客が見込めない路線や駅へは出稿しないことで無駄な広告費の削減に繋がり、効率よく宣伝することができます。

また、誘導や道案内としての活用が可能なのもメリット。「○番出口を出て5分」という広告を出すだけでも、集客効果が期待できます。

反復訴求効果がある

通勤・通学で交通機関を使う場合、毎日同じ駅を使います。ほぼ毎日広告に接触するので、認知率を高めることができます。同じメッセージを繰り返し伝える「反復訴求効果」が起きやすいので、来店や購入に繋がりやすくなります。

公共性が高い

誰でも見ることができる広告は公共性が高く、潜在的に「信頼できる広告」というイメージを持たれます。ブランディングの面でも活用するメリットがあります。

空間を活用できる

新聞やTVなどの広告媒体は、PR掲載枠や15秒CMなど媒体の枠組みの中で展開しますが、交通広告は、駅構内の大きな壁面や車両内の中刷り広告を全てジャックするような空間を活用した広告展開が可能です。空間を活用した交通広告は、いつも利用している駅や電車の景観が大きく変わるという強烈なインパクトをユーザーに与えることができます。

抵抗が少なく嫌われにくい

交通広告は、反復訴求効果が比較的自然に受容されやすいことが特徴です。多くの人が日頃から利用する空間にあるため、同じ広告を見ることにあまり違和感を抱きません例えば、スマートフォンやPCなどで何度も表示される広告に不快感を抱く人もいますが、交通広告では反復訴求効果をポジティブに発揮できます。交通広告は新規顧客の創出・獲得に効果的です。

SNSへの波及効果が期待できる

交通広告は、日常の風景の一部として存在することができる広告手法ですそのため、日常の発見を投稿するSNSと親和性が高い点が特徴です。
最近では、アイドルグループの写真が大きく印刷された交通広告と一緒に写真を撮り、SNSで発信することが流行しています。

また、話題性のある交通広告や構内をジャックした広告は頻繁にSNSに発信されています。

交通広告のデメリット

交通広告ならではのデメリットもあるので、利用の前にはしっかり検討が必要です。

申込みから掲載まで時間がかかる

交通広告は公共性が高い媒体であるため、掲載にあたっては審査が厳しくなる傾向があります。指摘があれば修正からの再審査が必要となり、掲載までには時間がかかります。すぐに広告を開始したいという場合には向かないでしょう。

広告の差別化が難しい

例えば車内広告の場合、同じサイズの広告スペースに他の広告と並んで掲載されることになります。どうしてもインパクトに欠けがちなので、埋もれることが無いよう、デザインについては慎重な検討が必要です。

効果測定が難しい

例えば、Web広告であれば、その広告経由でどのようなアクションがあったかの効果測定をつぶさに行うことができます。しかし、交通広告の場合はその広告がどの程度効果を発揮したのかの数値的な把握が難しいため、広告効果を高めるための分析を行いにくいという弱みがあります。

 

交通広告のトレンド

交通広告は日常生活で反復訴求効果を促し、駅構内の景観をつくる影響力を持ちます。広告の発信内容や手法を中心に、2022年最新のトレンドをご紹介します。

体験型広告

体験型広告とは、見た人が参加できる謎解きや仕掛け型の相互コミュニケーション形式の広告です。

実際に、謎解き要素が含まれた広告を全国の複数箇所に掲示し、全てをつなぎ合わせるとメッセージが浮かび上がる手法が用いられたケースがあります。体験型広告は、接触型・非接触型に大きく分けられます。接触型には、広告主が設置した商品を見た人が受け取るピールオフ広告などが例として挙げられます。非接触型には、例えばAIや遠隔操作でキャラクターを操り、ターゲットとディスプレイ越しに話す広告が例として挙げられます。

SNSとの連動

広告とSNS、特にTwitterは相性がよいとされており、共に連動するような広告手法も登場しています。具体的には、広告とTwitterの2つセットで販売する広告のパッケージ商品や、キャンペーン告知を広告で実施しその反応をTwitterで集めるなど盛り上がりを演出させる手法です。

SNSとの連動は生活者に認知度向上や共感性を促すことで、影響力を高められます。

位置情報を使った効果測定

今まで広告出稿後の効果計測が苦手とされていましたが、位置情報マーケティングプラットフォームを利用することで、広告を見た後、どの程度サイトに来訪したのかや、アプリをダウンロードしたのかなどが分かるようになりました。広告の効果検証をすることで次回以降、費用対効果が高く効率的のよい出稿ができます。

エスカレーターベルト広告

エスカレーターベルト広告とは、エスカレーターのベルト部分を広告媒体にする方法です。エスカレーターの人が乗るステップ・乗降口の床部分・サイドパネル・スカートレールなどいくつかの要素がある中で、手すりという最も視聴率の高い場所を広告として扱うことが可能です。1階分の移動で長くて約30秒間、広告でメッセージを伝えられます。手すり広告の多くには、広告と共に転倒事故防止マークの設置が必須の為、事故防止を訴求しながら広告出稿ができる、社会貢献にもなる広告です。

 

他媒体と比較した交通広告の特徴

他の主な広告媒体であるテレビ、新聞、雑誌、インターネットと比較して、交通広告にはどのような特徴があるのかを見てみましょう。

 

ターゲット層の違い

■交通広告
サラリーマンや学生の行動を広くカバーできる。駅や路線により居住層も異なるので、ターゲット層を絞った訴求ができる。出稿地域を選択することで、全国・地域限定の両方に対応可能。

■テレビ広告
ほぼすべての世帯で視聴可能で、世代を問わずに広告できる。特に、在宅率の高い主婦層や高齢者層に強い。番組時間帯により、ターゲット層を選択できる。

■新聞広告
全国から地域限定まで、エリア層を限定するのに適する。テキスト量の多い“読ませる”メッセージに優れている。

■雑誌広告
全国展開なので地域セグメントは難しい(地域発行の雑誌やフリーペーパーは除く)。趣味嗜好によるセグメントができるので、細かいターゲットに合わせて的確な訴求が可能。刊行時期により、タイムリーな広告ができる。

■ネット広告
若者を中心に、メディアに接する時間が増えており、全国・地域限定を問わず細かなターゲティングが可能。キーワードやターゲティング設定により、潜在層にピンポイントで訴求できる。

どのように広告に接するか

■交通広告
移動中に強制的に目に入る。長時間に渡り目に触れる機会があるが、スマホや読書などとのながら接触が多い。

■テレビ広告
受動的に目に入る。短時間だが強い印象を残す。録画視聴の場合は飛ばされる懸念も。

■新聞広告
能動的に読まれる。興味がなければ読まれない。

■雑誌広告
能動的に読まれる。興味がなければ読まれない。

■ネット広告
検索画面や閲覧サイト・アプリなどの画面で受動的に見られる。

広告の反復性

■交通広告
通勤・通学のユーザーにとっては、ほぼ毎日目にすることになる。

■テレビ広告
同一番組に提供すると、継続的に反復され、印象に残る。

■新聞広告
反復性は低い。

■雑誌広告
一定の反復性が期待できる。

■ネット広告
繰り返し目にするような出稿設定も可能。

 

【交通手段別】交通広告の事例

一般に知られている駅張りや中づりなどの他に、柱巻きやステッカーなどさまざまな媒体が空港・鉄道・バスなどそれぞれに存在します。主なターゲットは、毎日の通勤・通学でバスや電車を利用するビジネスパーソンや学生など、利用頻度の高い人々です。次に、交通手段別の交通広告事例をご紹介します。

電車の交通広告

電車の交通広告は以下のような場所に広告掲載が可能です。

・中づり

・額面

・ステッカー

・電車内のモニター

・広告貸切電車

・車体ラッピング広告

・つり革広告

…など

電車の交通広告は、会社員・学生・主婦など、多くのターゲットへの訴求が見込めます。

事例:灘の酒蔵

「灘の酒蔵」活性化プロジェクト実行委員会は、車体ラッピング広告と共に、つり革にそれぞれ銘柄が異なるミニチュアの酒樽を装着したつり革広告、座席横にも「Go!Go!灘五郷!」と書かれたステッカー広告など1つの車両をフル活用したPRを実施しました。

このPRのなかでも、特につり革に装着されたミニチュアの酒樽のかわいい見た目が女性ユーザーの心をつかみ、SNSでも拡散され話題を呼びました。

駅構内の交通広告

駅構内の交通広告は以下のような場所に広告掲載が可能です。

・駅構内に設置するポスター

・デジタルサイネージ(駅構内の大型ディスプレイ)

・駅特殊媒体(柱巻・フロア広告・自動改札ステッカーなど)

・駅電飾看板(駅ホームに設置されている内照式の看板広告)

・サインボード(駅ホーム上のベンチ横や線路対向などに設定されている大型のシート広告)

…など

駅構内の交通広告は、生活の延長に広告があることで繰り返しての訴求ができます。

事例:キンカン

メーカーの金冠堂は、東京メトロ半蔵門線渋谷駅の柱1本ずつを主力商品であるキンカンの瓶に見立てて柱巻き広告を出稿しました。小瓶で親しまれているキンカンが、巨大キンカンとして駅構内に並ぶ様子はSNSで拡散され話題を呼びました。巨大キンカンの柱巻き広告と合わせて、「若者のみなさんへ。」と題したメッセージの切なさも話題性に一役買いました。

空港の交通広告

空港の交通広告は以下のような場所に広告掲載が可能です。

・壁面広告

・柱巻き・アドピラー

・デジタルサイネージ(空港内の大型ビジョンに設置される広告)

・カート広告(空港内で荷物を運ぶ際に使うプッシュカートに設置する形式の広告メディア)

・飛行機内モニターのPR番組

・機体ラッピング

・搭乗券広告

・会員向けDM

空港は国内に限らず世界中から利用者が集まるため、他の交通機関と比べて広告を目にする層が幅広い点が特徴です。

事例:ヒルトングランドバケーションズ

ヒルトングランドバケーションズは、那覇空港旅客ターミナルビルの壁面に横幅5mのジンベエザメを描いた広告展開をしました。広告内の2次元コードをスマートフォンや携帯などで読み取ると、画面に3DのジンベエザメがARで出現する斬新な企画が実施され話題を呼びました。

バス・タクシーの広告

バス・タクシーの交通広告は以下のような場所に広告掲載が可能です。

【バス】

・まど上

・側吊り

・ステッカー

・運転席後部広告

・車内ビジョン広告

・アナウンス広告

・ラッピングバス

・バス外側、後部広告

…など

 

【タクシー】

・デジタルサイネージ(タクシー動画広告)

・ステッカー(タクシーの窓やドアに設置する広告)

・リアステッカー(タクシーの後ろ窓に設置する広告)

・車窓サイネージ(タクシーの車窓にデジタルサイネージを映す広告)

・アドケース(自由に持ち帰れるポケットティッシュやパンフレットに設置する広告)

・乗客サンプリング(試供品やクーポンを乗客に提供する広告)

・ヘッドレストポスター(助手席の背もたれ部分に設置された広告)

・シートベルトカバー

・ボディステッカー(車体後部ドアの外側部分に設置された広告)

…など

プライベートな空間を過ごせる車内では、他の公共交通機関に掲載する広告と比べて、訴求率の高まる傾向があります。

強みを生かして、交通広告を活用しよう

一言で交通広告と言っても、掲載箇所も枠もさまざまです。交通広告を成功させるためには、ターゲット層や広告戦略を明確にし、交通広告のメリット・デメリットを総合的に勘案した上で出稿を決定することが重要です。低コストで始められる媒体とは違い、出稿に費用も必要になるため、本当に費用対効果が見込める広告枠か慎重に見極めてください。

自社にピッタリの広告枠が見つかれば、強力なツールとなることは間違いありません。交通広告を賢く活用し、効果的なマーケティングを目指しましょう。

交通広告について詳しく

交通広告を検討してみたいという方、サービス案内のページにも事例とともに紹介いておりますので、ぜひご覧ください。

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