TVer広告が注目されている理由とは?料金の仕組みや特徴を解説

TVer広告は動画配信サービスTVerで流れる動画広告のことで、テレビCMとは異なる魅力があると注目を集めています。TVer広告の出稿を検討している事業者も、増えてきました。今回は、TVer広告が注目されている理由や特徴、ポイントについて解説します。
目次
TVer広告の概要
TVer広告は、無料で利用できる動画配信サービスTVerで動画を視聴する際に、TVCMのように流れるスキップ不可の動画広告のことです。視聴完了率が高く、高い広告認知が期待されます。この章では、TVer広告の種類や広告配信先などを紹介します。
TVer広告の種類
TVer広告の種類は、広告が出るタイミングにあわせてプレロール、ミッドロール、ポストロールの3つに分類されます。プレロールは番組の始まり、ミッドロールは番組途中、ポストロールは番組終了後のタイミングで広告が掲載されます。また、ミッドロールは一回のみではなく、番組の長さによって複数回の挿入が可能です。タイミングは配信番組の内容に合わせて、TVerが決定します。
広告の長さは、6~60秒のいずれかです。
広告の配信先
TVer広告の配信先はTVer内だけではなく、FODをはじめとする各放送局の自社サービスのような、シンジケーションサイトでも配信可能です。そのためTVer広告を作成すると、多くの動画配信サービスに対して、一括で広告配信ができます。制作した広告動画をなるべく多くの人に届けたい事業者にとっては、大きなメリットだといえるでしょう。配信先メディアが多い点は、TVer広告が持つ、他にはない大きな強みといえます。
そもそもTVerとは
TVerとは、2015年にスタートした動画配信サービスのことです。民放テレビ局で放映された番組を無料で視聴できます。
もともとは違法アップロード動画対策のために開始されたサービスで、公式動画を高画質で視聴できると話題になりました。番組数は650以上と豊富で、今後も増える見込みです。また、今ではTVer限定の動画や同時配信も行われています。視聴方法としては、主にスマートフォンやタブレット、PCなどが利用できます。そのため、テレビを見ない層が多く利用している点が特徴的です。
ユーザー数が急増している
TVerの利用者数は、毎月大きく伸びています。2022年10月に2,317万MUB(月間ユニークブラウザ数)に利用されていましたが、2025年1月には4,120万MUBをを突破しました。
ユーザー数が増えている理由は、コンテンツ数が増えて視聴できる番組が拡充されたからです。たとえば今まで地方でしか視聴できなかったローカル番組の配信が増加し、ユーザーのニーズに応えています。
TVer広告が注目されている理由
TVer広告が注目されている理由は、大きく4つあります。
〇ターゲティングが細かく設定できる
〇広告がスキップできない
〇テレビと同じ構成で抵抗感が少ない
〇TVをリアルタイムで見ない人にも広告が届く
この章では、TVer広告が注目を集めている理由について詳しく解説します。
ターゲティングの設定ができる
TVer広告はターゲティングの設定が可能です。ユーザーは、TVerアプリを始めるときにアンケートに回答します。アンケートでは生年月日や郵便番号、性別、興味のあるカテゴリなどが質問されます。動画を視聴しているユーザーの属性が分かりやすいため、自社のサービスに興味を持つ可能性の高い人に絞って広告動画を配信することが可能です。このようにターゲティングを設定することで、商品やサービスの購入につながりやすいという点が注目されています。また、商圏エリアのみを選択することができる為、無駄が少ないというメリットも。
広告がスキップできない
TVerでは配信される広告にスキップボタンがないため、動画コンテンツを最後まで視聴されやすいのが特徴です。TVer広告は、非常に高い視聴完了率が期待できます。公式発表によると、視聴デバイスのいずれでも視聴完了率は90%を超えています。広告をスキップできる他の動画配信サービスと比較すると、高い広告効果や認知拡大効果があるといえるでしょう。
TVerは、スキップできないうえに広告動画の内容は、ユーザーの属性にあわせて流れます。そのため高い確率で、ユーザーに関心を持って視聴してもらえます。
テレビと同じ構成で抵抗感が少ない
TVer広告の入るタイミングや長さは、テレビの構成と似ており、違和感を覚えにくいことも注目されている理由の1つです。TVerで配信されている番組はもともとテレビで放送されており、CMを流す前提で作成されています。TVerでは番組放送の妨げにならないよう、配慮されたタイミングでCM広告が配信されます。それによりブランド毀損に繋がりにくいことが特徴です。
TVをリアルタイムで見ない人にも広告が届く
TVer広告は普段テレビを見ない人に対して、広告動画を届けられるという点で注目を集めています。
近年ネットの普及や娯楽の多様化と共に、テレビを見ない人が増えてきました。とくに10代や20代のテレビ離れは、さまざまなところで指摘されており、時代の移り変わりとともに、テレビをリアルタイムで見る人は減少しています。テレビではなく、スマートフォンやタブレットなどでYoutubeを視聴したり、テレビ番組が見たい場合にも、時間的制約がないサブスクリプションサービスで済ませたりする人も増えています。そのような中でTVerは、いつでもどこでも好きな時間に好きな番組だけを多様なデバイスで視聴可能です。利便性の高さから、普段テレビ利⽤時間が少ない層のTveの利用が増えています。
TVer広告を利用するとテレビ利⽤時間が少ない層にもアプローチが可能です。
TVer広告の費用や出稿までの流れについて
ここまで、TVer広告の概要や注目されている理由について解説しました。ここからは、TVer広告の費用や出稿までの流れを紹介します。
配信方法・課金形態
TVer広告は、広告主の目的や運用体制に合わせて「フルマネージド型」と「セルフサーブ型」の2種類から選べます。どちらを選ぶかによって、ターゲティング精度や費用、運用の自由度が変わるため、目的に合ったプランを見極めることが大切です。
フルマネージド
・課金形態:CPM課金(固定価格形式・予約型)
広告が1,000回表示(1,000インプレッション)されるごとに課金されます。1,000回表示の単価が決まっているため、一定数の表示回数を確実に確保したい時に有効な課金形態です。
フルマネージドとはTVer社が広告配信から運用まで直接管理するプランです。年齢は1歳刻み、天気に合わせた動画素材の出し分け、指定できる番組ジャンルの多さなど、非常に精度の高いターゲティングが可能です。また、外部データを活用した高度な配信設計にも対応しており、本格的なブランド認知施策を行いたい企業に適しています。その分、最低出稿額は50万円〜(税抜き・別途管理費)と設定されており、予算にある程度の余裕が必要です。料金は固定型で、確実にメッセージを届けたい広告主向けといえるでしょう。
セルフサーブ
・課金形態:CPM課金(オークション形式・運用型)
広告が1,000回表示(1,000インプレッション)されるごとに課金されます。1,000回表示の単価は、他の広告主と広告表示をめぐってオークションで競うため変動します。15秒CM1再生あたり2.2円~が基準となり、おおよそ近い金額で配信が可能です。しかし、単価が変動することに変わりはないため、表示回数を保証することはできません。
一方、フルマネージド型に比べ、セルフサーブ型は少額から気軽に始められるプランです(2023年4月より提供開始)。TVer社に運用を依頼する必要はなく、代理店で運用が可能なので、コストを抑えながら配信期間も柔軟に出稿が可能です。弊社では最低出稿金額20万円(税抜・別途管理費)からご対応しています。
ターゲティングの粒度はやや粗く、フルマネージドほどの細かい設定はできませんが、初めてTVer広告を試したい企業や中小規模の広告主に特におすすめです。また、徐々にターゲティング設定がアップデートされており、フルマネージド型に見劣りしない配信方法へ成長中です。
ご希望条件、ご予算に合わせて無料シミュレーションを行っております。実施を検討されている企業様はぜひお気軽にご相談ください。
▶無料シミュレーションはこちら
出稿までの流れ
TVer広告を出稿する流れは、最初に予算や配信希望内容を問い合わせるところから始まります。広告を出稿するにはまず企業の業態考査が必要になるため、見積もりやシミュレーション内容から、本格的に実施するとなったタイミングで、業態考査を行いましょう。ここでNGが出てしまうと動画を制作しても広告は流せないため、注意が必要です。
その後TVer社の動画入稿規定に沿って広告用の動画を制作します。ビデオサイズや映像コーデックなどに細かい決まりがあるため、よく確認してから制作しましょう。完成した広告は、広告主の審査と素材の審査を受けて合格すると配信が始まります。審査の結果によっては修正作業が必要になることもあるため、配信が始まるまでには、出稿までの日程には余裕を持っておいたほうがよいでしょう。
TVer広告を作成するときのポイント
TVer広告の費用や出稿までの流れを紹介してきました。ここからは、TVer広告を作成するときのポイントを紹介します。
スマートフォンユーザーが見やすい広告を制作する
TVer広告は、スマートフォンユーザーを意識して作成するとよいでしょう。さまざまなデバイスで視聴できるTVerですが、多くのユーザーがスマートフォンを利用しています。テレビで使用している広告をそのまま活用する場合もありますが、文字や図がテレビ向けのサイズのため、スマートフォンの画面では小さくて視聴しにくい問題が発生します。
視聴しにくい広告は、消費者からマイナスなイメージを持たれることも少なくありません。そのため、スマートフォンの画面で見やすい広告制作を心がけるようにしましょう。
ターゲットは適切な範囲で設定する
TVer広告は先述した通り、ターゲットを詳細に設定できる機能があります。ターゲットの幅を広げたり狭めるなど、テレビではできない効果的な配信を行うことができるため、じっくりターゲット選定を行う必要があります。
一方、ターゲットを絞り込みすぎると、アプローチできる回数が減り、配信数が減ってしまう可能性もあります。そのため、ターゲティング条件は複数設定をせず幅広く設定することをおすすめします。例えば「東京都内エリア限定」や「若年層」など大きなカテゴリーで分類することがポイントです。
まとめ
TVerは、普段テレビを見ない人も多く利用する動画配信サービスです。ユーザーは広告をスキップできないため、他の動画配信サービスと比較して視聴完了率が高いという魅力があります。TVer広告を上手く利用して、効率よく商品やサービスをアピールしてみてください。



