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訪日中国人の特性とは?データをインバウンドマーケに活かそう

インバウンド向けのマーケティングを考えるとき、やみくもに手を打つのではなく、データをもとに戦略を練ることは非常に大切です。

「中国人観光客」と聞いて、「中高年の富裕層で、団体旅行客。日本には、爆買いをしに来ている」というイメージを持つ人は多いかもしれません。しかし、その想定はもはや古いものとなっています。

今回は、統計データをもとに、訪日中国人の特徴を捉えていきたいと思います。訪日中国人の多くなる時期や、日本での行動を理解することで、どのようにアプローチするのが効果的か見えてくるかもしれません。

訪日中国人数の推移

まずは、訪日中国人数の推移を見てみましょう。

過去5年を見ると、飛躍的に訪日中国人数が伸びているのが分かります。ここ数年は伸び率が落ち着いているとはいえ、着実に数を増やしていて、2018年も過去最高を記録しそうなペースです。2019年にはラグビーW杯、2020年には東京オリンピックの開催を控えていますから、今後も訪日中国人数は増えると予想されます。

中国人観光客増加の背景には、いくつかの要因が関係しています。まず、中国国内の経済発展により、海外旅行をする層が増えたこと。次に、中国人観光客に対する観光ビザの発給要件が緩和され、中間層でもビザを取得しやすくなったこと(2010年には、収入要件が大きく緩和され、2015年には何度でも日本に入国できる「数次ビザ」の要件が緩和されました)。

そして、円安が進行していること。さらに、格安航空の便数や空港数が多くなったこと。中国当局の施策により、韓国への団体旅行が禁止されたことも、日本への観光客増につながったかもしれません。

複数の要因が重なって、中国人にとって日本は安くて身近な観光地として人気を集めているのです。

どの時期に訪日中国人が増えるか?

訪日中国人数を、月別に見てみましょう。

全体的に見ると、年明け1-2月と、7-8月に多くなる傾向があると言えます。

1-2月といえば、中国は春節の時期。春節とは、中国の旧正月にあたり、春節の前日から1週間程度が休みになることが多いです。ちなみに、2019年の春節は2月5日。この前後に長期休暇をとる人が多いため、1月下旬~2月にかけて中国人旅行客が増える傾向にあります。

7-8月は、夏休みの時期。中国では6月に終業式や大学受験があることもあり、この時期は非常に開放感を得られる季節でもあります。学生の卒業旅行や、家族旅行を計画しやすいシーズンでもあります。

訪日前のいわゆる「旅マエ」客にアプローチをするのであれば、実際に観光客が増えるこれらの時期より少し前に効果的にマーケティングを行うことで、高まる旅行需要を取り込むことができるのではないでしょうか。

ターゲットにすべき顧客層

日本を訪れる中国人の詳細を見ていきたいと思います。

観光庁の「訪日外国人消費動向調査」によると、訪日中国人の男女比率は男性38%、女性62%。全国籍平均と比べても、女性比率が多いのが特徴です。世代別に見てみると、20代・30代の層が多く、女性は全国籍平均よりも多い割合を記録しています。

このことから、中国人をターゲットにする場合は、若い女性を中心にアプローチすることでより多くの見込み客を得られると考えられます。

また、中国旅游研究院らが発表した2018年夏の旅行についてのレポートでも、若い世代の訪日旅行客が増えていることが示されています。特に、2018年の夏は、2000年以降にうまれた世代が全体の36%を占め、最も多い年代となったようです。

2人目の出産が解禁されてしばらく経ち、20代~30代の子連れ旅行も増えています。小さい子どもを2人連れた旅行者も増加していることから、子どもに優しいお店や商品、観光地のアピールも、旅マエ客へのアプローチとしては強く心をつかむのではないでしょうか。

データやニュースをマーケティングに活用しよう

統計データを見ると、漠然とイメージしていたターゲット層をより具体的に感じることができます。やみくもにマーケティング施策を行うよりも、効果が見込めるターゲットに絞って、魅力的な角度から訴求することで、より効果が高まるはずです。

「団体で日本に旅行に来て、爆買いをする」という中国人観光客のイメージは、もはや古いものとなっています。近年は、若い世代(特に女性)、子ども連れ、個人旅行、というのが訪日中国人のトレンド。インバウンド市場を獲得するためには、今の情報をつかみ、適切にアプローチする必要があります。

また、ビザの発給要件の緩和や中国政府の海外旅行への制限など、政治や制度の状況によっても、観光客の動向は大きく変わります。過去のデータから、だいたいの傾向を把握して対策を練りつつ、ニュースをしっかりチェックして対応を考えるようにしたいですね。

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