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もはや広告ではない!バズるCMを制作するポイント

自社の商品やサービスをアピールするため、広告媒体のひとつであるCMを制作しようと考えている企業は多いのではないでしょうか。現在、1日に放映されるCMは、約800本といわれています。これらのなかには、巷で話題になるほどバズったCMもいくつかあります。そんなCMは、一体どのように制作されているのでしょうか。

そこで今回は、過去にバズったCMの事例を踏まえ、バズるCM制作のヒントについてご紹介します。

事例1:制作の裏側を公開したおもしろCM

一般的にはCMというと、テレビ番組の合間に放映される広告、といったイメージが定着しています。そのため、限られた時間を余すことなく自社の商品やサービスのアピールに充てているCMが多くみられる傾向にあります。しかし、最近のCMはそうではありません。広告要素が少なくなり、かつテレビだけでなくインターネット上でも公開されることが多くなっているのです。

最初にご紹介するのは、2013年に放映された宅配寿司店“銀のさら”のCMです。テレビCMとして放映される際は、尺が15秒もしくは30秒になっています。しかし、Webサイト上に公開された同CMの尺は、なんと120秒。その内容は、結論からいうとCM制作の裏側を公開する、というものです。 最初のシーンに登場するのは、冬物のファッションに身を纏った女性。冬の季節のなか、ファッションの魅力をアピールしているのかと思いきや、実は撮影時期は夏なのです。“そのときの季節とは真逆の季節のCMを撮影するときもある”というCM制作の裏側を暴露しています。

このほかにも、女優さんの顔を高機能なソフトを使用して加工していたり、刀で人を斬る音が実際はキャベツを切る音だったりと、このCMでは数々の裏事情を暴露しています。そして最後は、疲れきった子どもたちの笑顔を引き出すためにお寿司を差し出す、という風に自社商品とリンクさせています。

このCMは、2016年2月時点でYouTubeにて18万回以上の再生回数を誇っています。実際に見た人のなかには「今までで1番面白いCM」という感想を持った人もいたそうです。また、CMは公式サイトでも閲覧することが可能です。なお、外国でも注目され、アジアパシフィック広告祭・銀賞を受賞しています。

事例2:2つの怖さを掛けあわせた恐怖CM

次にご紹介するのは、タイヤ販売店“オートウェイ”のCMです。

雪道を車で走っている様子が、運転手目線で描かれているこのCM。吹雪のなか、車はひたすら走り続けます。すると突然、前方に白い服を着た女性の姿が。車を停め様子を伺っていると、次の瞬間、遠くにいたはずの女性の顔がフロントガラス越しに。驚いた運転手は、車をバックさせ逃げ去ります。そして最後に、その女性から「冬用タイヤつけた……?」というメッセージが。つまり、このCMには“冬道は怖い、事故を起こさないためにも冬用タイヤをつけましょう”という思いが込められているのです。

このCMは日本だけでなく、世界的に注目を集め、YouTubeの再生回数は3週間たらずで460万回を突破したとのこと。TwitterやFacebookなどSNSでも多く拡散され、話題となりました。なお、オートウェイの自社サイトは、動画公開初日にPV数が通常の2倍以上になったそうです。

2つの事例から学ぶCM制作のヒント

では、上記で紹介した2つのCMがバズった理由には、どのようなものがあげられるのでしょうか。

銀のさらとオートウェイ、両者のCMに共通しているのは、“通常のCMにありがちなPR方法を排除している”という点です。ただ単に「わたしたちの寿司はおいしいですよ」、「わたしたちのタイヤは優れていますよ」とPRするだけでは、視聴者の興味を引くことはできません。そのため、視聴者の立場になり、“どういうCMなら興味を持ってくれるのか”、“視聴者はCMに何を求めているのか”という点を追求することが大切といえます。つまり、これまでの広告としてのCMにはあまり感じられなかった“意外性”や“エンターテイメント性”を取り入れることが重要なのです。

たとえば、銀のさらのCMの場合、誰もが気になるCM制作の裏側を公開することで、視聴者に驚きを与えています。また、最後にオチとしてCMの内容と自社商品を結びつけることで、感心させることもできるのです。このように、今までのCMにはないようなオリジナル性を取り入れることで、視聴者の心を鷲掴みにすることができます。

このポイントを取り入れる際、大切になるのは“CM=広告”という考えを捨てること。自社の商品やサービスをPRすること、これらの購入や利用に繋げることを1番に考えるのではなく、“視聴者をどれだけ楽しませることができるか”、“視聴者の心を鷲掴みにできるか”といった部分に重きを置くことが大切です。そうすれば、広告と考えていなくても、視聴者の心を打ち、かつ利益に繋がるCMを制作することができます。

広告媒体としてのCM制作はもう古い

今やCM制作において最も重要になるのは、広告という考え方を捨てられるかどうか。これからCMを制作しようと考えている企業は、まず視聴者の立場になってCMについて考えましょう。そうすれば、きっと世界的にバズるCMを制作することができるはずです。

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